「代々墓とご先祖様のお墓を一緒にしたいが、どうしたらいいかわからない、、、」 久米南町の個人様墓地から岡山市の寺院内霊園へご先祖様のお墓を移設。代々墓とご先祖様の供養塔(五輪塔)を新設。
津山市、鏡野町、久米郡を中心に、岡山県全域にてお墓や石材のお仕事をさせていただいております、長尾石材の長尾です。
今回は、久米南町の個人様墓地から岡山市の寺院内霊園へご先祖様のお墓を移設し、代々墓とご先祖様の供養塔(五輪塔)を新設させていただきましたのでご紹介いたします。
【寺院内霊園に移設・新設が完了したお墓】
近年多いご相談のひとつである、「代々墓とご先祖様のお墓を一緒にまとめたいが、どうしたらいいかわからない、、、」というご相談で、津山展示場にご来店くださいました。
すでに岡山市の寺院内霊園に墓地をご用意されており、新規代々墓と20基あるご先祖様のお墓のおまとめをご検討されていました。
お客様ご自身でも霊園内の他家様のお墓を参考にされたりして、「代々墓と一緒にまとめているご先祖様のお墓は多いところでも10基ほど。20基すべてを移すことは不可能かな?両親の夫婦墓1基と形のはっきりしている個人墓7基を移転して、それより昔のお墓は処分しようか、、、どうしたらいいのか??」と、とても考えを巡らせていたようでした。
こちらのお祀り方は当社でも数多くさせていただいています。お客様それぞれに応じた最善をご提案させていただく為に、しっかりとお客様のお気持ちを聞かせていただきました。その中で「これまで代々大切にしてきたご先祖様のお墓を可能な限り残したい」というお客様のお気持ちがとても伝わってきました。
こちらが移設前のご先祖様の墓地です。
こちらのご先祖様のお墓と新しく建てる代々墓・供養塔が霊園の墓地に収まりきるか、すべての寸法を測り、図面(完成予想図)を作成し配置を検討します。
こちらがその図面です。お客様にご納得いただくために、正確な図面を作成します。
言葉だけの説明ではわかりづらいですが、絵で見るとイメージしやすいかと思います。
霊園ですのでお隣様との兼ね合いも配慮したデザインをご提案いたしました。
それでは移設の作業が始まります。
墓地までの山道は細く急なため、作業に必要な重機を入れるのも困難な場所でした。職人の長年の経験と熟練した操縦で安全に進めていきます。
解体作業を進めながらご遺骨を取り出し、古く残っていないご先祖様は一つ一つお墓があった真下の土をお客様と一緒に採っていきます。
移設先に不要な部材もその場に残さず持ち帰り、当社で責任をもって専門の業者にて処分いたします。
お墓の解体が完了し、きれいに整地しました。
次は寺院内霊園の工事にはいっていきます。
こちらにご先祖様のお墓を移設し、代々墓と供養塔を新設します。
まずは地盤をしっかり固めて巻石を据え付けていきます。
耐震ボンドとステンレス製の金具を使い、ズレないようにしっかりと留めていきます。加えて巻石の四隅・入り口脇もコンクリートで固めています。こうすることで、より巻石のズレを防ぐことができます。
巻石とご先祖様のお墓の棹石を設置する台座の据え付けが完了しました。続いてお墓を据え付けする部分の基礎コンクリート工事の準備をしていきます。
新設する代々墓と供養塔の基礎コンクリートです。転圧地固めし、木枠を組み、コンクリートを流し込みます。ワイヤーメッシュを入れてより強度を増します。
お墓本体の部分だけでなく、巻石内部や基礎の部分などはお墓が完成すると見えなくなる部分ですが、当社がとても力を入れている重要な部分です。記録を残してお客様にも見て納得いただきます。
ここで、旧墓地のご先祖様の棹石を据え付けました。図面通りにバッチリ収まっています。
ご先祖様の棹石はあらかじめ工場にてピカピカに洗浄しておきました。高圧洗浄機で洗った部分は汚れが落ちて、一目瞭然に分かりますね。ご先祖様に感謝を込めてきれいな状態での移設です。
無事すべてのご先祖様のお墓の移設が完了し、いよいよ新設の代々墓と供養塔の据え付けです。
お墓の一番下の石である敷石は一枚石です!お墓を支える部分であり、ご納骨する部分でもある重要な部分です。基礎コンクリートの上にモルタルを敷き、前後左右の水平をバッチリ合わせています。ここでもたっぷりと耐震ボンドを使い、組み上げていきます。
耐震ボンドに加えて、上台ー布団ー棹石部分にはΦ20mmのステンレス製の耐震棒を入れて耐震施工しています!
当社では、建前にお立合いいただけるお客様には、ご一緒に棹石の建立をして頂きます。作業は職人が安全に致しますので、お客様にはそっと手を添えていただき作業を見守っていただきます。お墓の完成が近づきました!!
五輪塔にも耐震ボンドとほぞ加工でしっかりと耐震施工しています。
墓所内の仕上げに高級玉石を敷き詰め、拝石、物置石を設置し 完成です!
今回選んでいただきましたお墓、供養塔(一石五輪塔)の石種は、永年にわたって光沢、艶持ちの良い、経年変化の心配も少ない”インド″の石材、インドアーバングレーです。
供養塔(一石五輪塔)には移転した20基すべての戒名を刻み、ご先祖様の棹石が重なっていても、供養塔にてお祀りできていますのでご心配いりません。
前面の香炉・花立・水鉢もしっかりデザインしており遜色ありません。
料金比較をしていただきます時は、工事内容、お墓の仕様をぜひ比べてみてください。当店では戒名彫刻に加えて、四方の梵字彫刻は必ず行います。
最後になりましたが、この度のお墓づくりに際しまして、五輪塔の戒名文字等自分でまとめられた資料をご準備いただきまして、ありがとうございました。
細く急な山道を進んだ先に造られた墓地で、数多くのお墓と、墓地までの道や周囲の木々のお手入れまでを長年されてこられました事、お体への負担も大変だったと思います。また古いお墓ですので、多くがズレたり傾いたりしてご心配だったことと思います。
ご相談へ来られました時の、新しい代々のお墓とご先祖様のたくさんのお墓が理想の形で収まって、新しい場所でこれからも永く永くお祀りしていけるお墓づくりとなりました。当店でも永く永く見守らさせていただきます。